新しく手に入れたバイオリンやヴィオラ、チェロなどの新作の楽器は、弾くたびに音が変化し、日々成長していきます。
その変化を自分で感じられることは、演奏する喜びをより一層深めてくれるものです。
1. 新作楽器が成長する過程
① 最初の数分〜数時間
生まれたての楽器は、わずか20〜30分演奏するだけでも「鳴ってきた!」と感じることがあります。
木材やニス、構造全体が振動に慣れ始めることで、音の立ち上がりが良くなっていくのです。
② 数日〜数週間後
1日後、1週間後と弾き続けることで、さらに響きが豊かになっていきます。
音が伸びやかになり、倍音の表情も増してきます。
早く鳴りを良くするコツ
調弦を正確に行う
なるべくフォルテ(ff)で演奏する
倍音を意識的に鳴らす
③ 2〜3ヶ月後
ニスが乾燥し、音が引き締まり、明瞭で安定した響きに変化します。
④ 5年ほど経過すると…
木材がさらに落ち着き、共鳴の仕方が洗練され、より深みのある音色へと成長します。
この段階で楽器は「自分らしい声」を確立していきます。
2. 新作楽器を選ぶときのポイント
新作の楽器を選ぶ際は、今現在の音色だけでなく、将来の成長性や潜在能力を見極めることが大切です。
具体的には、次のような点をチェックしましょう。
楽器の持つパワー(音量・投射力)
4弦のバランス
成長の可能性を感じるか
自分好みの音色かどうか
3. 楽器を「育てる」楽しみ
新作の楽器は、弾き手の手に渡った瞬間から成長が始まります。
毎日の練習で楽器と対話し、根気よくフレーズを教えるように音を育てていくことが、最終的に「自分好みの音」を作り上げる秘訣です。
🎯 まとめ
新作楽器は演奏を重ねることで確実に音が変化・成長する
成長を加速させる演奏法がある(常に正確な調弦、フォルテ奏法、倍音)
選ぶときは将来の成長性とバランスを重視
日々の演奏は「楽器を育てる時間」でもある